社内研修の様子。 事務系研修は2年次、4年次、6年次、10年次ときめ細かいカリキュラムで対応する |
「100年をつくる会社」をコーポレートスローガンに掲げる鹿島。積極果敢な「進取の精神」が同社発展の礎で、社業の発展を通じて社会に貢献するという経営理念を一貫して堅持してきた。採用活動を未来の鹿島を共に築いていく「仲間を探す」活動と位置付けており、採用を担当する橋本東大人事部人事グループ課長は「『鹿島らしさ』に共感できる人に来てほしい」と話す。
募集は事務、土木、建築(建築施工、建築設計、建築設備)、エンジニアリング、機電、数理、開発系の9種別。土木系は学校で土木、農業土木、都市工学・社会工学系を専攻したことを条件にするなど、職種により求める専攻が異なる。
近年の就職活動はインターネットが主要なツールだ。学生向け就職情報サイトの中には掲載数が2万社に上る所もある。そうしたサイトとリンクし、学生との最初の窓口となるのが企業のホームページで、各社とも工夫を凝らしている。
「昔は企業のことを知るためにはパンフレットを取り寄せる必要があったが、今はパソコンやスマートフォンですぐに見られるようになった。手軽に大量の情報を入手できる半面、志望企業を絞り切れないのでは」と橋本氏は心配する。
「地球最大のものづくりができるのが当社の醍醐味(だいごみ)。そうしたことは一人ではできない。面接では巨大プロジェクトに挑むためのチームワーク適性、コミュニケーション能力を特に重視している」という。
社員の研修を担当する臼木崇人人事部教育グループ課長代理は、「当社は『人をつくる』ことを大切にしている」と強調する。事務系の年次研修は、2年次、4年次、6年次に、2年前から10年次も追加した。
会社や配属部署の上司とは別に先輩社員が新入社員をサポートする「メンター制度」を13年度に事務系で導入した。「メンター役は年齢が近い4~7年次」(臼木氏)という。
未来に向かって同じビジョンを持つ仲間を獲得するためにも、先輩社員や現場と触れる機会を積極的に提供している。理系学生向けのインターンシップ「鹿島EXPO」もその一つ。昨年は土木、建築施工、建築設備、機電の4種別で実施した。今年で3シーズン目を迎える。「現場を体感することで、建設業のダイナミックな魅力を知ってもらえる。何気なく来た人が鹿島を大本命にする場合もある」と橋本氏。
現在は学生側の売り手市場であり、就活スケジュール変更による短期決戦となったため、学生1人当たりの企業エントリー数が減少傾向にある中、同社のエントリーは増加したという。「建設業に目を向けられているが、楽観はできない」と橋本氏は気を引き締める。
《新卒採用概要》
新卒採用者数=男性161人 女性41人(2016年度実績)
3年以内離職率=3・0%(2013年度新卒)
平均勤続年数=男性18・3年 女性18・7年(2016年3月末時点)
平均年齢=43・7歳(2016年3月末時点)
0 comments :
コメントを投稿