2016年11月28日月曜日

【建設業の心温まる物語】和田内潜建(石川県)・尾崎一啓氏

 ◇女性技術者がいると現場が温かくなる◇

 最近、女性技術者をよく現場で見るようになりました。それでもまだ現場で働く女性技術者は少数ですので、お互いにとまどいがあります。

 昨年、女性技術者を配置することを求められた国土交通省の工事を受注しました。男女がともに働く現場事務所や休憩所を、お互い快適な職場だと思えるよう改善することは、たいへんなことでした。現場に女性がいると男性が照れてしまったり、一緒に働くことに慣れないために意思疎通がうまくいかないこともありました。

 一方、女性ならではの発想や、今まで気付かなかったことを指摘してくれ、良かったことがたくさんありました。

 まず、地域住民の方々が現場事務所へ気軽に足を運んでくれるようになったことです。これは今までなかったことです。女性に「こんにちは。事務所にいつでも遊びに来てください」などと挨拶をされると気持ちが温かくなるようで、事務所に足を運ばれました。そして「女性が現場にいると来やすくなるね」などと談笑してお帰りになるようになりました。

 またいつも荒っぽい作業員の方々も、女性がいると言葉遣いが柔らかくなります。「おい、おまえ」と呼びかけていたのが「ちょっと、いいかな」に変わりました。安全祈願集会や誕生日会に大勢参加していただけ、これをきっかけに現場内で話すことが増え、雰囲気が明るくなりました。今まで気付かなかったことを知ることができ、現場をスムーズに運営することができました。

 20年前の建設業では思いもよらない状況にうれしく思います。女性技術者そして女性技能者の方々を心から応援します。

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