山岳トンネルの仕事に取り組みたいという志望が叶い、今年入社してすぐに吉浜釜石道路(岩手県釜石市)の現場に配属された。「祖父が青函トンネルを掘っていました。小さなころ、その話を沢山聞かされていた」ことが、山岳トンネルに興味を持ったという。
大林・富士ピー・エスJVに所属し、唐丹第2トンネルの施工管理を担当している。「父も東北の復興現場にいますし、母からは好きにやりなさいと言われています」と快活に答える。支店からは釜石市内に住居を借りるよう助言されたが、「現場が遠くなる」と、JV事務所の宿舎に部屋を用意してもらった。
熱心に仕事に打ち込むあまり、松野徹所長が「いつまでたっても現場から帰ってこないので、どうかしたのかと気がかりになる」のも一度や二度ではない。現場で支給された「けんせつ小町シール」をヘルメットのどこに貼るか、少しだけ迷った。
「けんせつ小町って自分で名乗るのは恥ずかしくて。土木をやっている女子社員に限ってはドボジョでいいじゃないですか」。父から受け継いだタフさと持ち前のしなやかさ。現場監督としての自負もにじむ。
(なかじま・ゆり)
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