2016年11月25日金曜日

【回転窓】人材投資を最先端の取り組みに

国土交通省は、大臣の諮問機関である中央建設業審議会と社会資本整備審議会合同の基本問題小委員会が6月に出した中間取りまとめを受け、建設産業をこれから「人材投資成長産業」にすると宣言した▼人に投資するといっても、処遇、福利厚生、教育等々と解釈はさまざまあろう。いずれにしても国交省の宣言は、これまで人への投資が必ずしも十分ではなかったとの反省に立ち、人口減少下での人材獲得競争に打って出ようという産業としての姿勢を示したものといえる▼逆にいえば、人材への投資を怠れば、産業の未来はないとの危機感の現れでもある。そうした状況にいち早く気付き、地域単位で始まった活動を取り上げたのが、現在、本紙2面に連載中の「地域で育てる」▼廃校を職人育成の拠点とする活動は、全国どの地域でも可能性がある。共通する課題への対応が広まれば、この産業の未来も悲観するものではないのではないか▼自民党の二階俊博幹事長が地域のこうした活動を「党としても応援したい」と言っている(本紙16日付)。職人育成がこれからの日本を支える最先端の取り組みになることを願う。

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