11月18日の「土木の日」にちなみ、全国各地で関連イベントが開かれている。企業や行政機関が保有・運営する技術研究所や普段は入れない工事現場に子どもたちを招待。土木への親しみを持ってもらおうと、さまざまなイベントを行っている。
東京都は16日、小学生を対象にした土木技術体験学習を江東区新砂にある土木技術支援・人材育成センターで行った。江東区立南砂小学校の5年生87人が課外授業の一環として参加。れんがと砂を使ったアーチ橋の製作などを通じ、土木技術の魅力を伝えた。
子どもたちはアーチ状の基礎台の上にれんがを並べ、その隙間に砂を詰める作業に挑戦。都の職員の指導を受けながら、木づちでれんがをたたき、その振動で隙間に丁寧に砂を詰めていった。完成したアーチ橋は子どもたちが同時に乗ったり、歩いたりしても壊れることはなく、その頑丈さに「すごい」と驚いていた。
子どもたちは、都が管理する河川から採取した水の水質検査や、鉄筋の耐久試験といった職員の日々の職務も体験。土木技術支援・人材育成センターの中村正明技術支援課長は、「土木を少しでも身近に感じてもらうきっかけになったと思う」と話した。午後には、一般向けの体験学習やパネル展示なども同センターで行われた。
竹中工務店、竹中土木、竹中道路の3社は16日、竹中技術研究所(千葉県印西市)の見学会を開いた。地元の印西市立原山小学校の5年生34人が研究所を訪れ、緊急地震速報の可視化やれんがアーチ橋の製作などを体験した。
土木の日(11月18日)の関連行事として、土木学会関東支部が各建設会社と共同で実施している研究所公開の一環。3社が小学生を招いた見学会を行うのは今年で23回目となる。冒頭、梅國章副所長が土木の日の由来を説明しながら、「ここではトンネルや橋を造るためにいろいろな研究をしています。きょうはいろいろな体験をして、しっかり学んで下さい」とあいさつした。
施設見学では、緊急地震速報の可視化体験で、重りとばねを使った実験装置を使い、地震発生時に最初に観測されるP波と、P波が継続する中で観測されるS波の揺れの違いを体験し、緊急地震速報の仕組みを学んだ。
れんがアーチ橋作りでは、木造の型枠の上にれんがを等間隔で並べ、その間に砂を詰めて長さ1・3メートル、幅0・4メートルの橋を製作。完成後は橋の上を実際に歩いて出来栄えを確かめた。このほか、無響室と残響室では音の響きの違いを体験。風洞実験室では風速10メートルの風を体感した。
21回目となった今年は、地元の野田市立関宿中央と木間ケ瀬の両小学校5年生計103人が参加。実験施設での体験学習を通じて、防災や地球環境に関わる建設会社の仕事への理解を深めた。
技術研究所内の無響室と残響室で、風船の割れる音の違いを体験したほか、風洞実験棟では風速15メートルの強風を全身で味わった。ほかにもコンクリートが固まる様子や実験で引きちぎられた鉄筋を触り、それぞれの性状などを学んだ。
◇国総研&土研、11月19日に施設公開◇
国土技術政策総合研究所(国総研)と土木研究所(土研)は、11月18日の「土木の日」にちなみ、土曜の同19日に研究施設を一般に公開する。無線操縦のショベルを実際に動かしたり、実物をたたいて橋の健康診断を行ったりするなど、実験施設を見て、体験できるイベントにする。
同日には茨城県つくば市内の小学4、5年生によるボール紙で作る橋コンテストの優秀作品の発表と表彰式も行う。
一般公開は、両研究所と土木事業について一般市民に理解を深めてもらおうと、毎年企画している。バンク角約30度の実験走路を走る高速バスの乗車体験を行うほか、土石流の発生と対策を模型で実感するコーナーも設ける。
ボール紙の橋コンテストは1994年度から実施しており、今回は「ぼくの橋、わたしの橋」がテーマ。本年度は市内30の小学校から349点の応募があった。
◇土木学会は都内でシンポ◇
土木学会(田代民治会長)は、11月18日の「土木の日」に合わせて全国各地でイベントを開く。23日に土木学会本部(東京都新宿区)で「土木の日シンポジウム2016」を開催。市民らによる公共のための取り組みを後押しする「市民普請大賞2016」の発表会・表彰式のほか、土木偉人映像展として奈良時代の僧侶・行基に着目した映像鑑賞や解説を行う。時間は午前10時~午後4時。参加は無料。
21~24日には東京都新宿区の新宿駅西口広場イベントコーナーで、土木施設の図面などを紹介する展示会「土木コレクション」を実施する。今回は、橋と鉄道の手描き図面や写真、模型などを公開する。
このほか、土木の日ポスター募集(関西支部)や、図画コンクール(中国支部)、土木遺産めぐりツアー(四国支部)、ファミリーフェスタ(西部支部)などが予定されている。
◇土木学会は都内でシンポ◇
土木学会(田代民治会長)は、11月18日の「土木の日」に合わせて全国各地でイベントを開く。23日に土木学会本部(東京都新宿区)で「土木の日シンポジウム2016」を開催。市民らによる公共のための取り組みを後押しする「市民普請大賞2016」の発表会・表彰式のほか、土木偉人映像展として奈良時代の僧侶・行基に着目した映像鑑賞や解説を行う。時間は午前10時~午後4時。参加は無料。
21~24日には東京都新宿区の新宿駅西口広場イベントコーナーで、土木施設の図面などを紹介する展示会「土木コレクション」を実施する。今回は、橋と鉄道の手描き図面や写真、模型などを公開する。
このほか、土木の日ポスター募集(関西支部)や、図画コンクール(中国支部)、土木遺産めぐりツアー(四国支部)、ファミリーフェスタ(西部支部)などが予定されている。
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