2016年11月22日火曜日

【回転窓】努力を見せる大切さ

記者になって二十数年、新人時代から常に心掛けていることがある。それはどんなに難解な内容でも、分かりやすい言葉で簡潔な文章にすること▼駆け出しのころ、先輩記者にいつも言われていたのは「小学生にも理解できるように書け」だった。取材をして内容を整理し文章に起こす。時には複数の取材を組み合わせて長文にする。どんな仕事も同じだろうが、創意工夫と発想の転換は自ら成長するために不可欠▼ただ、年齢を重ねて指導する立場になると、経験をどう後輩に伝えるかかなり難しい。厚生労働省が20日、伝統工芸などで卓越した技術・技能を持つ16年度の「現代の名工」160人を発表した。これまでに約3900人が選ばれているそうだ▼建設分野でも先日、国土交通省が「建設マスター」415人を発表。工業・工芸、建設と各分野で第一人者と呼ばれるまでに技を磨いた方に敬意を表したい。経験と技術・技能を後進にどうつなぐか▼記者とはレベルが違い過ぎようが、名工・マスターの方々も日々悩んでいるのでは。どんなに世の中が便利になっても、こつこつ努力を重ねる姿を見せることだろうか。

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