2016年11月10日木曜日

【MICEやクルーズ船ターミナルに照準】政府、コンセッション重点対象施設拡大

政府は来春にも、地方自治体に導入を促しているコンセッション(公共施設等運営権)の重点対象施設を拡大する。

 2020年東京五輪までに、観光やビジネスで日本を訪れる外国人の急増が見込まれるのに対応。新たに外航クルーズ船旅客ターミナルと国際会議・展示場のようなMICE(国際的なイベント)関連施設を追加する。第1弾は福岡市の博多港一帯での具体化を目指す。

 内閣府民間資金等活用事業(PFI)推進室が主導して来春にも改定する政府の「PPP(官民連携)・PFI推進アクションプラン」に反映させる。外航クルーズ船旅客ターミナルとMICE施設の整備推進は、政府の16年度版成長戦略に初めて盛り込まれた。

 両施設を所管する国土交通省は当面、アクションプラン改定後の数年間で外航クルーズ船旅客ターミナルとMICE施設への導入を目指すコンセッションの具体的な目標件数の検討を進める。

 現時点で両施設への第1弾のコンセッション導入目標案件と想定しているのが、福岡市がPPPで進めている博多港周辺一帯の「ウォーターフロント地区再整備事業」。大型クルーズ船が2隻同時接岸できるよう岸壁を延伸するのに合わせ、周辺で計画している外航クルーズ船旅客ターミナルとMICE施設の整備・運営を改定アクションプランで明示する方向だ。国交省は、現行の旅客ターミナル整備費への無利子融資制度や、MICE施設整備費への金融・財政支援制度を通じ重点的に支援する。

 政府は、コンセッション事業者の選定手続きに応募した経験がある企業に行った意向調査の結果を踏まえ、△国有林△公園△河川敷△海岸△公営地下鉄△登山道△航空管制△給食センター△公立病院△児童養護施設△スタジアム△国公立大学宿舎-などの施設を改定アクションプランでコンセッションの重点対象施設に加えるかどうかも検討する。

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