2016年11月28日月曜日

【建設業の心温まる物語】たち建設(滋賀県)・桐畑絵里さん

 ◇女性じゃないとできない仕事をやりきる◇

 女性の私が、男社会だと言われる建設業に入職して13年あまり。入社した頃は「なんでこの業界に入ったの?」と会う人みんなに聞かれたものです。そのたびに「地図に残るものを造りたいんです」と答えていました。暑い日も寒い日も現場で施工管理業務を行っていました。女性は体力的に男性に劣る部分はあります。しかしその反面、男性より女性の方が勝る仕事の丁寧さや近隣住民との対応の良さを活かして、現場でがんばってきました。


 会社の上司や先輩、現場の職人さんのおかげで一人前の土木技術者に育てていただき、ようやく一人で現場を担当できるようになったころ、結婚をしました。そして妊娠、出産。それは個人的にはとてもうれしいことなのですが、育児等で現場に出られないことも少なくなく、私にとって、とてもつらいことでした。

 しかし、私はそこで思い直しました。「建設業の仕事は現場監督だけではない。色々な方法で現場を支えていけるんだ」と。そして「現場監督が力を発揮できるのは、工事を受注してこそ。ならば、その受注を支える仕事をしよう。

 工事を受注するためには、正しく積算する必要があります。さらに有利に工事を受注するため、工事成績評定点をアップさせる必要もあります。

 慣れない仕事ではありますが、会社の仲間にも支えられ、理解してもらいながら、女性ならでは、いえ私ならではの丁寧さと心意気で日々業務を行っています。男性じゃないとできない仕事は確かにありますが、女性じゃないとできない仕事もあるのです。

 これからも女性の強みを活かして建設業を支え続けていくつもりです。そして、いつか娘達に「この橋はママが造ったんだよ」って言える日を夢みています。

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