建設会社がハローワークに提出する求人数が急増している。60歳を超えても現場の第一線で活躍してきた団塊世代の退職がいよいよ本格化し、次の世代を確保しなければ事業を継続できなくなる。急増の背景には、経営者の切実な思いが見え隠れする▼働く人材が充足しているかどうかを表す指標として用いられる有効求人倍率(求職者1人当たりの求人数の割合)。分母に当たる求職者数の減少と、分子に当たる求人数の増加のどちらも倍率を高める要因になる▼他産業に比べて倍率が高く、「人手不足」が言われる建設業だが、高止まりの倍率そのものより求職者数の少なさが深刻だと6月29日の本紙で報じた。倍率が特に高い躯体職種では、10年1月に8582人だった有効求職者数が直近の17年5月は2307人にまで減っている▼失業数とも相関があるので一概には言えないが、求職者数の減少に業界はもっと目を向けるべきだろう。人材が他産業に流れているとすれば、建設業で働く魅力がないと言われても仕方がない▼ものづくりで国を支えてきた建設業。わくわくしながら働ける仕掛けづくりをもっと考えたい。
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