被災地を視察する石井国交相 (左から2人目。9日、福岡県朝倉市で) |
石井国交相は同日の災害対策本部会議に先立ち、前日の9日に特に被害が大きかった福岡県朝倉市と大分県の日田市、東峰村の3市村を災害発生後初めて視察。現地でテックフォースや地元建設業者の迅速な対応で道路を啓開した現場や、鉄道橋が流失した現場などを見て回った。現地では福岡、大分両県の知事や3市村の首長とも会談し、国による今後の支援のあり方などについて意見を交わした。
一方、菅義偉官房長官は10日の衆院の閉会中審査で、被災市町村主体のインフラ復旧に対する国の財政支援補助率を引き上げる激甚災害の指定に前向きな考えを表明し、早期に結論を出す意向を示した。
豪雨に見舞われた被災地では、行方不明者の捜索などと並行して被災状況を把握するための調査や危険箇所の緊急対策が本格化している。
国土交通省のテックフォース(緊急災害対策派遣隊)が災害対策用ヘリコプターなどを使用した現地調査を実施。九州地方整備局は筑後川水系花月川などで緊急復旧工事に着手した。建設業団体も県などの要請を受け、河川・道路のパトロール、がれきや倒木などの撤去、大規模土砂崩れ箇所の仮設道路整備などを進めている。
国土地理院がYouTubeで公開した福岡県東峰村・大肥川の被害状況
(7月8日撮影)
10日午後0時30分までに九州整備局は筑後川水系花月川など4カ所の緊急復旧工事に着手(うち1カ所完了)。県が管理する国道211号の道路啓開や海洋環境整備船による流木の回収などを行った。大規模土砂崩れが発生した大分県日田市小野地区でドローン(小型無人機)による調査を実施し、災害用ヘリコプター2機により上空から福岡県朝倉市や東峰村、日田市の被災状況を調査。国土技術政策総合研究所から土砂災害の専門家も派遣した。
福岡県土木組合連合会朝倉支部は県や市の要請を受け全支部会員企業ががれきや倒木、崩落した土砂の処理などに当たっているもよう。福岡県建設業協会は土のうやブルーシートなどを確保し被災地からの要請に対応できる体制を整えたほか、県との協定に基づき仮設住宅の提供準備も進めている。
大分県建設業協会は日田支部と中津支部の会員企業が県や市の要請を受け、道路や河川のパトロール、一部道路の啓開、流木やがれきの撤去などを実施。大規模土砂崩れにより寸断された日田市小野地区の県道の仮設道路整備にも県の要請を受け、会員企業が24時間態勢で着手した。
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