山形県庄内町の立谷沢川に設置されている「六渕砂防堰堤」=写真=と「瀬場砂防堰堤」が、国の登録有形文化財(建造物)に登録された。
立谷川沿川、最上川下流域などの土砂洪水氾濫を軽減するため、建設省東北地方建設局最上川水系砂防工事事務所(当時)が、立谷沢川中流域に二つの基幹堰堤を建造した。
六渕砂防堰堤は1952年、瀬場砂防堰堤は53年に完成。両堰堤とも水通し部分が美しい曲線を持つなど、当時の高い技術力と熟練した技で施工されており、現在では復元することが難しい貴重な施設となっている。
六渕砂防堰堤は堤長157メートル、堤高15メートルの玉石コンクリート造で、堰堤全面に玉石を張り、上部は割石を亀甲積みした帯を表している。瀬場砂防堰堤は堤長193・3メートル、堤高6メートルの玉石コンクリート造で、副堰堤と水叩き2段を備えている。
先人たちが土砂洪水災害を鎮めることを祈願して建立した龍神供養塔の石碑が数多く見られるのも特徴。
今後は両堰堤を管理する東北地方整備局新庄河川事務所と、所在する庄内町が協力し、これら歴史的資源を活用した町の地域振興、地域活性化に向けてさまざまな取り組みを進めていく予定だ。
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