2017年7月3日月曜日

【回転窓】華やかな光の舞、来年も

林間のキャンプ場からほど近い清流沿いの水田地帯。夕食を終え、薄暗がりになった田んぼのあちこちに淡い緑色の小さな点が明滅する。地元有志が主催する蛍の観賞イベントに参加した▼光の点を追ってはしゃぐ子どもの顔の近くをゆらゆら飛んだり、遠目に光の帯を引いてみたり。枝葉でひと休みしながらも明滅を止めないので、大樹がイルミネーションをまとったようにも見える。イベントは6月で終わったが、日によってはまだ見られるという▼イベントの実行委員によると、幼虫が食べる巻き貝のカワニナが絶えないよう、一帯の水の量に気を配る。農家も農薬使用を減らすなど生息環境の保全に協力。公共交通機関がないため、除草した農閑地やダム湖畔の施設を駐車場にしている▼今年の蛍の数は例年の8~9割とか。それでもこの時期限定の自然の光の舞は今年も多くの人を魅了し、自然の美しさと大切さを視覚に訴えた。見頃は過ぎつつあるが、評判は県外から来たキャンパーにも広がっている▼「来年も来てください」と実行委員。地域の善意と厚意に支えられ、来年も華やかな群舞が見られるに違いない。

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