2017年7月14日金曜日

【回転窓】本来の目的はどうなった

応援をしたい自治体に寄付をすると、寄付額から2000円を引いた額が所得税や住民税から控除される「ふるさと納税」制度。総務省が先日発表した2016年度の寄付総額は前年度の1・7倍、2844億円に上り、4年連続で最多を更新した▼多くは都市に住む人が自分の故郷や好きな地域の自治体への寄付だろう。災害のあった地域の自治体への寄付も増えているそうだが、寄付に対する自治体からの返礼品も増加理由として見逃せない▼16年度に返礼品を贈った自治体は全体の94%に当たる1684団体。地域の特産品を贈るケースが多いようだが、中には豪華な家電製品や商品券などを出す自治体もあり、返礼品競争がこれ以上過熱しないよう、総務省は待ったをかけた▼高齢化や人口減で財政難が深刻な地方の自治体は税収を少しでも増やそうと必死。返礼品を豪華にしてしまう気持ちは分からぬではないが、制度の趣旨に照らせば見返りにもおのずと限度はあろう▼それより気になるのは、ふるさと納税本来の目的である地域活性化が進んでいるのかどうかという点。東京一極集中がやむ気配は今のところない。

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