先日インタビューした学識者が、働き方改革の本質を「人生100年時代の生き方」と説いていた。確かに、今生まれた日本人が平均して98歳まで生きると考えれば、遠い未来の話ではなく、既に現実味を帯びたテーマだ▼18日に105歳で死去した医師の日野原重明氏(聖路加国際病院名誉院長)はまさに人生100年時代の生き方を体現した。きちんとした生活習慣の下、生涯現役として医師を続け、著作や講演など幅広く活動。100歳近くになってミュージカルを企画し、俳句も始めた。104歳で句集を出すなど好奇心は衰えしらずだった▼元気なら100歳まで社会と関わりを持ちながら生き、何らかの形で働く。日野原氏が実践した生き方、働き方はそんなことを示唆しているようだ▼生活や経済を支える社会資本も同じではないか。生涯現役として役割を果たすにはきちんとした手入れが不可欠。それがなければインフラや建築物に100年の命は宿らない▼メンテナンス時代と言われて久しい。黙々と守り続けるメンテナンスは、人の役に立ち、自身の成長にもつながる人生100年時代の新たな仕事となる。
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