2017年7月11日火曜日

【記者手帖】どうなるIR誘致

カジノを含むIR(統合型リゾート)の誘致で先陣を切っていた横浜市が、ここにきてトーンダウンしている。「経済活性化の有効なコンテンツ」と誘致に前向きな発言をしていた林文子市長が、「ギャンブル依存症対策などの検討が必要」と慎重姿勢に転じたからだ◆横浜市は市長選を間近に控える(16日告示、30日投開票)。林市長も3選を目指して出馬を表明。これまで2期の実績から3選は固いと見られているが、カジノの是非を争点に据える対立候補が名乗りを上げていることもあり、安全策として争点をそらした形だ◆IRに期待を寄せる横浜商工会議所を中心とした地元経済界は楽観視している。林市長が当選すれば誘致の検討は継続する。MICE(国際的イベント)施設のパシフィコ横浜の機能拡充事業もスタートし、訪日客を取り込むためにはさらなる集客の目玉が欲しいからだ◆一方、ここにきて、IR誘致の有力候補地と見られる山下ふ頭地区の港湾事業者団体が「カジノは不要」と声を上げ始めた。こちらは再開発事業への参画を求めるアピールのようだ。それぞれの思惑が交錯し、先行きは不透明さを増している。(さ)

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