2018年11月26日月曜日

【インフラツーリズムが地域に活力】関東整備局が積極展開、建設中・稼働後とも大きな集客効果

 関東地方整備局が取り組むインフラツーリズムの人気が高まっている。

 首都圏外郭放水路(埼玉県春日部市)では、民間企業と連携して観光資源化を展開中。昨年度を大きく上回る見学者が詰め掛け、17日に同施設の役割などを紹介するミュージアム「龍Q館」の来場者が50万人を突破した。

 建設中の八ツ場ダム(群馬県長野原町)も人気が高く、4~10月だけで約3万8000人が見学した。建設中も稼働後も地域活性化に一役買っている。

 首都圏外郭放水路は、大規模水害に備える施設で、6・3キロの地下トンネルなどが設けられている。地下神殿のような調圧水槽が人気で、同局と春日部市が東武トップツアーズ(東京都墨田区、坂巻伸昭社長)と連携し、民間運営による施設見学の社会実験を行っている。

 1日当たりの見学会回数を3回から7回に増やし週末や祝日も実施するようにしたところ、8~10月の3カ月間で、前年に比べて約3・9倍の2万2162人が集まった。見学者アンケートによると、64%がインフラツーリズムと一緒に食事や買い物、観光などを行っており、地域活性化にもつながっている。同施設を組み入れた旅行会社のツアー商品も販売されている。

 民間と連携した背景には、土日祝日も含めて観光客を呼び込む体制を構築する狙いがある。同局の佐藤寿延河川部長は「職員だけで土日を対応しているとうまくいかなくなる。民間が収益を上げられるビジネスモデルに持っていけたら」と今後を見据えている。

 今回の社会実験は12月26日までとなっている。魅力を高めるための改修などを行った上で、来春ころに再開する予定だ。

 八ツ場ダムでは、昨年度は約2万9000人が見学したが、今年は4~10月だけで前年度実績を大きく上回っている。予約不要で参加可能な「ぷらっと見学会」は、多い時に平日で200人超、土日には700人超が集まり、満員になることもあるという。

 同ダムは首都圏からアクセスしやすく、草津温泉などにも近い。周辺観光地と組み合わせている人も多いようだ。同局は「建設中の現場であり、見に来た瞬間が常に見どころとなる。見学会を契機に、地域活性化へつながるとありがたい」(八ツ場ダム工事事務所地域振興課)と話している。

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