2015年11月4日水曜日

【回転窓】使い道のない空き家

 地方のかつて暮らした家が空き家になって1年弱。人手に渡った後、高齢者向けのデイサービス施設に衣替えしたと聞いてちょっと驚かされた▼若者が減り、年寄りばかりが目立つ町のニーズに合ったのだろうか。ともあれ、空き家の活用方法としては理想形の一つといえるかもしれない▼空き家の数が全国の住宅総数の13・5%に当たる820万戸に達し、過去最高を記録との調査結果を総務省が発表したのは昨年7月。国は新法を作って対策に乗りだし、法に基づき危険な空き家を自治体が強制撤去する初の代執行が先日、神奈川県横須賀市であった▼前後して国土交通省が発表したのが、有効活用が容易な空き家は48万戸しかないとの推計結果である。使い道がないからこその空き家と考えれば驚くには当たらないが、やはりショッキングな数字ではある。仮に残りの空き家を撤去するとなれば、気の遠くなるような費用と時間がかかるだろう▼減少傾向とはいえ、住宅新築は年間90万戸もある。空き家を持て余す一方での大量の新規供給。住宅に対する考え方を本気で改めるべきだとの声も聞こえてきそうだ。


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