2017年10月13日金曜日

【回転窓】記号としての「アイコン」

 建設現場の生産性を抜本的に高める取り組みとして国土交通省が主導するi-Constructionは、「アイコン」などと略されて一般化しつつある。「i」の意味が何かと取り沙汰され、「愛」を表すなどと説明する人もいたが、既に意味がそぎ落とされた「記号」として用いられているように思う▼東京・秋葉原が発祥のAKB48など、ご当地の頭文字でネーミングしたアイドルグループがもてはやされている。その肝は、名前に意味を込めない記号化にあるともいわれる▼名前に意味や大きな期待を込めることが、必ずしも成功に導くとは限らない。鈴木一朗という平凡な名前が「イチロー」となって世界を舞台に活躍している事例もある▼アイコンのロゴマークが制定されるという。既に複数のデザイン案が出され、年内には一つに絞り込まれるそうだ。ロゴ付きのヘルメットや建設機械は、生産性向上の取り組みを業界内外にアピールする格好の材料になろう▼もっとも、デザインに過大な期待や意味を込めるよりは、将来の建設産業を担う若者に受け入れられるかどうかの一点に絞った選定が重要な気もする。

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