東京メトロが進める銀座線全駅の大規模リニューアル事業で、11月に銀座駅(東京都中央区)の改良工事が始まる。
丸ノ内線、日比谷線の銀座駅も含めた改良工事の施工者選定で、価格交渉を進めていた大成建設と195億円で月内に契約を交わす予定だ。
設計は日建設計が担当。リニューアルデザインも決定し、20年度までに駅舎の主要部分の工事を完了させる。2020年東京五輪後に出入り口の一部などの残工事に着手する。
総額500億円を投じる銀座線の大規模リニューアル事業では、12月30日で開通90周年を迎える浅草~上野駅間を中心とした下町エリアなどで改良工事が先行して進められている。各エリアに合ったデザインやアイデアを広く募るデザインコンペを行い、各駅舎のリニューアル計画に反映させている。
銀座駅ではリニューアルテーマの「地下にいても地上を感じることができる銀座のまちの地下1階」に基づき、「憧れの街~人と街をつなぐ光のゲートアベニュー」をデザインコンセプトに設定した。
銀座4丁目交差点側の改札口では、上品で温かみのあるホテルエントランスのような雰囲気を演出する。
出入り口についてはコンペ最優秀賞のアイデアを具現化し、門型の構えによって存在感と視認性を高めつつ、各路線のラインカラーであるレモンイエロー(銀座線)、シルバーホワイト(日比谷線)、チェリーレッド(丸ノ内線)の光のグラデーションを施す。
銀座線のホーム側壁には、古き良き銀座の街並みのイメージを一面に描く。ホーム上の光柱は、出入り口と連動してラインカラーの色や頭文字のパターンによって、天井から垂れる「銀座の柳」をイメージした光の演出を導入。空間と人々を明るく、美しく照らすとともに、路線サインの機能も持たせる。
コンコースについては、既存の施設配置や天井内設備のルートを徹底的に見直すことで、駅全体の見通しやすさを改善。天井もできるだけ高くし、明るく広がりのある開放感あふれる駅空間を創出する。
乗り換え客や地下部で接続する百貨店などに向かう多くの人たちで常ににぎわう日比谷線コンコース(晴海下通り)では、銀座駅のメインストリートといえる空間を、銀座の街をイメージした上品で落ち着きのある装いに一新する。
「銀座線銀座駅ほか2駅改良建築・電気・土木工事」の施工者の選定手続きは、6月9日に開札した一般競争入札(WTO対象)が不落札となったため、大成建設と随意契約に向けた手続きを進めていた。
銀座、丸ノ内、日比谷3線の銀座駅の駅施設やホーム、コンコースなどのリニューアルを一体的に行う。工期は72カ月を見込む。
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