2017年10月6日金曜日

【横浜MM21地区で開発相次ぐ】五輪見据え施設整備、MICE機能強化や企業誘致進む

 横浜市中区と西区にまたがる「みなとみらい21(MM21)地区」で、新たな開発が相次いでいる。今夏に複数の大規模プロジェクトが着工。今秋から来年にかけても多くの工事が始まる見通しだ。

 2020年東京五輪などを見据えた施設整備や、大学キャンパスの新設なども予定されている。横浜市庁舎の移転を契機とした地区のさらなる活性化も期待されている。

 同地区の開発は、1983年に始まった。全体で約186ヘクタールという大規模開発で、土地区画整理事業が2011年3月に完了。17年8月時点の状況を見ると、本格利用が約67ヘクタール、暫定利用が約9ヘクタールとなっている。

 開発の計画が固まっていないのは52街区と57街区。52街区は市と国が所有しているが、街区全体での整備が条件となっていることもあり、現段階では具体化のめどが立っていない。57街区の一部は、18年4月から10年限定で本町小学校の用地として活用される。本格的な整備は同校の閉校後となる。

 20年6月にはみなとみらい北仲地区に市庁舎が移転する予定だ。横浜駅から関内・伊勢佐木町地区までの連続性が生まれることから、地域の魅力がさらに高まることになりそうだ。MM21地区でこれから開発が行われる主な街区の概要は次の通り。
MICE施設群の配置イメージ
(横浜市報道発表資料より)
【20街区】MICE(国際的なイベント)施設群のうち、リゾートトラストがホテルを建設。設計は観光企画設計社、施工は鹿島が担当。10月に起工式を行う予定。建物の規模はS造地下1階地上14階建て延べ4万8530平方メートル
ぴあが計画するコンサートアリーナの完成イメージ
【38街区】ぴあが大型コンサートアリーナを建設。設計・監理は佐藤工業・とお一級建築士事務所JV、施工は佐藤工業が担当。12月にも着工し、20年春の開業を目指す。建物はRC一部S造地下1階地上4階建て延べ約2・1平方メートル、1万人収容の規模を想定
神大みなとみらいキャンパスの完成イメージ
【43街区】神奈川大学が地区初の大学キャンパス「みなとみらいキャンパス」(仮称)を建設。基本・実施設計を三菱地所設計、CM(コンストラクション・マネジメント)を日建設計コンストラクション・マネジメントが担当。施工者は18年度の早い時期に一般競争入札で決定する。18年9月の着工、21年春の開学を予定。建物の規模はS一部RC造地下1階地上21階建て延べ4万6600平方メートル

 【47街区-〈1〉】三菱地所が複合施設を建設。コーエーテクモゲームスが本社機能を移転するほか、ライブハウス型ホール、ビジネスホテルなどが入る。設計は三菱地所設計が担当。施工者は未定。12月の着工、20年1月の完成予定。施設は3棟からなり、S・SRC・RC造地下1階地上15階建て延べ3万6713平方メートルの規模

 【47街区-〈2〉】村田製作所が研究開発拠点整備を計画。設計・施工は戸田建設が担当。18年着工、20年開業の予定。建物規模などは未定

 【55街区-〈1〉】LGエレクトロニクス・ジャパンらが研究所、賃貸オフィスなどの複合施設を建設する予定。設計・施工者は未定。18年10月にも着工し、21年4月のオープンを目指す。建物の規模は地下1階地上18階建て延べ3万6775平方メートル

 【61街区の一部】横浜アンパンマンこどもミュージアム&モールが48街区から移転。設計・施工は大成建設が担当。18年3月に着工、19年4月の完成予定。建物の規模はS一部RC造4階建て延べ1万3853平方メートル

 【53、58-〈1〉、58-〈2〉、60、61、62街区】10月に事業予定者を決定。敷地面積は、53街区が約2万0620平方メートル、58-〈1〉街区が約5700平方メートル、58-〈2〉街区が約3600平方メートル、60街区が約1万5000平方メートル、61街区が約3万9900平方メートル、62街区が約2万2000平方メートル。

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