町歩きイベントで、東京都渋谷区にあるイスラム教のモスク「東京ジャーミイ」を訪れた。ジャーミイとは、アラビア語で「人の集まる場所」。決まった時刻になると、礼拝が呼び掛けられ、聖地メッカに向かって祈りをささげる。神の前では人は平等。人種も地位も関係なく横に並ぶ▼驚いたのは、子どもたちの振る舞い。祈りの時間になっても施設内を走り回って遊んでいる。時折、大きな声を出すことも。だが大人たちは注意しない▼子どもには礼拝を強制しないという。幼い頃、寺で住職がお経を上げている時に皆で騒ぎ、一喝された記憶がある。それに比べるとおおらかで自由な雰囲気。成長すれば自然と礼拝をするようになるので、それを待つという考え方らしい▼このモスクが整備されたきっかけは100年前のロシア革命。中央アジアのイスラム教徒が迫害されて世界各地に移住。たどり着いた先の一つが日本だった▼「祈りは、心に対する食事のようなもの」とは説明役の方の話。人によって方法はさまざまだろうが、心への栄養補給は欠かせない。異文化を寛容に受け入れた素地をこれからも大事にしたい。
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