2017年10月6日金曜日

【回転窓】情熱が人を動かす

主要企業で18年春入社予定の大学生らの内定式が2日に行われた。企業取材を担当している本社の記者から、訪問先の建設会社で緊張した面持ちの若者を数多く見かけたと聞いた▼期待と不安が入り交じるのは、学生側だけでなく受け入れ側の企業も同じだろう。現在は人手不足から学生優位の「売り手市場」。内定を出しても辞退する学生がいるからだ▼ゼネコンと人材を奪い合う形になっている建設コンサルタント業界では、今春の新卒採用で内定辞退者が相次ぎ、予定した人数を確保できなかった企業も少なくなかったという。魅力ある職場を目指して働き方改革を進めているのに、それが学生に十分伝わっていないことがコンサル各社の共通の悩みとも▼こうした苦い経験を教訓に、今年は学生が気軽に出向ける「1DAYインターンシップ(就業体験)」を仕掛ける企業が多い。訪れる学生の数は増えたそうだ。会社選択で迷う心と不安を期待に変えるには、働き方改革以外の要素も重要である▼「情熱が人を動かす」とは経営の神様・松下幸之助の言葉。企業の魅力と仕事のやりがいを熱く伝えることも欠かせない。

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