2017年10月17日火曜日

【記者手帖】「楽しそう」の次の一歩

将来の仕事に建設業を選んでもらおうと、子ども向けの現場見学会や建設機械の試乗体験が各地で開かれている。元気いっぱいに楽しむ姿を見ると、未来は安泰かと感じる◆だが、そう簡単ではないようだ。大手ゼネコンの部長がこんなことを言っていた。「子どもたちは建機のスケール感などに驚いているが、それだけで終わってしまっている。具体的な仕事の魅力までは伝わっていないのでは」◆幼い頃、職業体験施設に連れていってもらったことがある。体験したのは消防士。ホースでの消火にわくわくし、「こんなことが毎日できると楽しいだろうな」と思った記憶があるが、覚えているのはそこだけ。具体的な仕事内容などは頭に残っていない。消防士の仕事に就くことはなく、いつしか忘れてしまった◆その仕事に就きたいと思ってもらうために「楽しそう」という第一印象は大切。だが、それは入り口の扉を見てもらっただけともいえる。扉を開き、一歩踏み入れるまでには大きな隔たりがある。興味を持ってもらえているからこそ、次の一歩を導く対策が必要だろう。(裡)

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