JR東海は、ドローンを活用して災害発生直後の構造物を調査する手法を新幹線で試行導入した。機体に搭載したカメラで橋桁などを撮影し、構造物のゆがみや亀裂の有無を確認する。作業員が高所作業車を使って目視点検していた従来に比べて迅速に状態を把握できる。ドローンと目視による従来手法を併用し、点検精度の底上げを目指す。
ドローンを活用した健全度調査は、土砂の流入や岩石落下が発生した中央線と飯田線で使用した。在来線での活用成果を踏まえ、JR東海は新幹線で使用する土木構造物の点検にもドローンの活用が有効と判断。作業員が橋桁などを目視確認していた従来手法よりも、早い段階で損傷の有無を把握できる。
JR東海は9日、三島駅(静岡県三島市)付近で実施した総合事故対応訓練を報道公開した。作業員3人で構成するチームが現場到着後、機体を操縦しながらタブレットに写し出された高架橋の映像を見て異常がないかを確認した。構造物以外には、ドローンで撮影した俯瞰(ふかん)映像を衛星通信車で送る「映像伝送訓練」も行った。
訓練後、辻村厚常務執行役員新幹線鉄道事業本部長は「画像も鮮明であり、緊急時にしっかり使用できればいい。ただ重量が軽いドローンは風雨の影響を受けやすく、難なく操縦できるかが課題だ」と総括。今後は「担当部署と協議して通常の点検にも使用可能かを探る」考えも明かした。
タブレットを見ながら健全度を調査(9日撮影)
source https://www.decn.co.jp/
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