2022年11月7日月曜日

沖縄事務局/首里城正殿復元が起工、設計は国建・施工は清水建設JV

 2019年10月の火災で焼失した首里城(那覇市)の正殿を復元する「首里城正殿復元整備工事」の起工式が3日、正殿跡地で開かれた。岡田直樹沖縄担当相や玉城デニー沖縄県知事、地域住民ら約240人が参加。隣接する木材倉庫で鑿(のみ)入れ式もあり、復元に使用予定の国頭村産の長さ8・6メートル、重さ2トン、樹齢72歳のオキナワウラジロガシの「御材木(おざいもく)」に関係者らが鑿を入れ、工事の開始を祝い、安全を祈願した。26年秋の完成を目指す。周辺整備なども含めた総工費は約120億円。
 沖縄総合事務局の主催。同局の田中愛智朗局長が「首里城の復元を待ち望む多くの県内外の皆さまの思いをしっかり受け止め、工事過程の段階的な公開などにより沖縄の地域、観光振興にも寄与していく」と式辞。岡田沖縄担当相は「焼失が二度と起こらないように再発防止策を徹底する。関係省庁や県と緊密に連携し、国として責任を持って復元に取り組む」とあいさつした。
 玉城知事は「首里城を中核とした周辺一帯の街づくりなどを進め、焼失前より魅力ある首里城になるよう努めたい」と述べた。
 建物規模は正殿W造3階建て延べ1199平方メートル、西之廊下同平屋36平方メートル、南之廊下同平屋34平方メートル。梁など骨組みに使われる国産のヒノキの大径材は計535本。平成の復元の際は県産材を使用しなかったが、今回はオキナワウラジロガシ2本を正殿2階の国王が着座する御差床の小屋丸太梁に使用予定で予備材1本含む3本を用意している。赤瓦は5万5000枚使用し、一部は旧正殿で破損した瓦を砕いて再利用する。
 防火対策として、スプリンクラー、漏電遮断器、感震ブレーカー、絶縁監視装置を新設し、熱・煙感知器を強化。復元工事の様子を一般公開する「見せる復興」にも力を入れる。
 施工中の正殿を風雨から守る素屋根の設置に22年度中に着手し、23年度から正殿本体工事を行う。
 工事は清水建設・國場組・大米建設JV、設計は国建(那覇市)が担当。鑿入れ式に参加した清水建設の井上和幸社長は「県民、国民の皆さんの期待に応えられるように仕事を着実に進めていきたい」と話した。
 3日は鑿入れ式の御材木とは別の国頭村産の長さ9メートル、重さ4トン、樹齢98歳のオキナワウラジロガシを首里城に運ぶ木遣(きやり)行列も行われ、中山門跡から首里城公園入り口までの約350メートルを古式の衣装に身を包んだ行列が行進。沿道には行列を一目見ようと多くの人が集まった。

御材木に鑿入れ
首里城に向けて運ばれる御材木

source https://www.decn.co.jp/?p=147599

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