JR中央本線の定光寺駅(愛知県春日井市)から庄内川に沿って歩くと、登録有形文化財の愛岐トンネル群へ向かう入り口がある。春と秋の特別公開では多くの人でにぎわい、小欄も2度ほど訪れている▼愛知、岐阜の県境に残る旧国鉄中央西線の愛岐トンネル群。1966年の廃線から年月の経過とともにやぶの中に埋もれ、地域でも忘れ去られていたというが、2006年に発見された▼きっかけは勝川駅(同市)の高架化でれんが積みホームが解体されるのに伴い、100年前の貴重なれんがを街づくりに生かす保存活動が行われていた時のこと。地元の古老がれんが製のトンネルがあったのを思い出し、そのかすかな記憶を頼りに探索が始まる(愛岐トンネル群保存再生委員会「活動レポートNO.3」から)▼発見後はやぶを切り開き散策路の整備が進められ、愛知県側の廃線跡地を買い取るナショナルトラスト運動も展開されて今日に至る。地域の人たちの手で近代化遺産の「ワイズリユース(賢明な再利用)」を実現した好例といえよう▼今秋の特別公開は26日~12月4日。錦秋に染まるトンネル群が出迎えてくれる。
source https://www.decn.co.jp/?p=147601
0 comments :
コメントを投稿