全国建設業協同組合連合会(全建協連)の青柳剛会長は1日に大分市内で開かれた会合で、公共工事の工期設定について、働き方改革を実現する新たな考え方を披露した。全体工期を現場作業の時間と事務作業の時間に切り分け、現場作業の実質的な工期に書類作成時間など事務作業の工期を上乗せする。「コストオン方式」に倣った手法をイメージしている。監理技術者や現場代理人のワークフローの実態を踏まえ、月内にも提言をまとめるという。
2024年4月に建設業への適用が始まる時間外労働時間の罰則付き上限規制を視野に、従来の発想にとらわれない工期設定の考え方を業界として打ち出す意向を表明した。
国土交通省関東地方整備局が残業時間削減策として21年度に改定した「土木工事電子書類スリム化ガイド」は、これまで業界が改善を求めてきた書類の簡素化に大きな効果を発揮した。青柳会長は「これ以上の書類削減が難しいところまで来ている」との認識を提示。その上で、働き方改革を実現するために工期の設定方法を根本から見直すべきだと訴えた。
中小建設業の施工では工事に従事する技術者が日中現場で働き、事務所に戻る夕方から書類作成業務に着手することが多い。
時間外労働の削減に向けて青柳会長が会長を務める群馬県建設業協会では、道路、河川、砂防の工事ごとに会員各社の監理技術者や現場代理人のワークフローの実態調査を行っている。現場での実質的な作業の期間と、書類作成にかかる時間をどう切り分けられるかを調査結果から見極め、「コストオン方式のように、書類作業時間を実質作業の工期にどう上乗せできるかを考えたい」とした。
同席した国交省の見坂茂範官房技術調査課長も「工期を切り分けることは一つの考え方だ」と指摘。バックオフィスから現場を支援する「建設ディレクター」の利用拡大にも触れ、長く課題とされてきた現場の長時間労働の是正に何らかの手を打つ必要性があるとした。
source https://www.decn.co.jp/?p=147513
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