2023年2月27日月曜日

回転窓/パンの伝来480年

総務省が公表した2022年家計調査の結果で、1世帯(2人以上)当たりのパンの年間購入額は大津市が全国1位となった。20、21年と京都市がトップだったが、大津市は5年ぶりの返り咲きとなる▼生活に身近なパンの人気は高い。その歴史は日本でも古く、1543年、種子島に漂着したポルトガル人が鉄砲とともに伝えたとされる。「パン」という言葉はポルトガル語に由来する▼山崎製パンのホームページ「パンの歴史館」から引くと、日本では幕末に初の国産パンが誕生し、後に〈文明開化の明治を象徴する洋食文化〉となり広まったパン。そして戦後にパン食は大きく普及し、2011年の家計調査で購入額が初めて米を上回った▼世界のパン文化がどう伝承されてきたのかは、書籍『パンの文化史』(舟田詠子著、朝日新聞社)に詳しい。グリム童話「ヘンゼルとグレーテル」に出てくる魔女のパン焼きの場面なども取り上げ、パンの文化は〈多くの民族の民話の中に蓄積されている〉と解説する▼今年は日本とポルトガルの交流480周年に当たる。この歴史と重なるパンのルーツをたどっていく知の旅も面白い。


source https://www.decn.co.jp/

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