2023年2月22日水曜日

国交省/都市緑化の新認証制度構築へ/民間の整備促進、客観的評価で資金調達円滑化

国土交通省は民間による自発的な緑地整備を促すため、新たな認証制度を構築する。緑化を伴う開発プロジェクトなどを対象に、気候変動対策への貢献や市街地環境の改善といった効果を客観的に評価。デベロッパーが投資家からのESG(環境・社会・企業統治)投資を集めやすいようにし、開発資金の調達を円滑化する狙いだ。付加価値向上による賃料アップなどの効果も見込む。今春にも制度設計をまとめる。
21日に「民間投資による良質な都市緑地の確保に向けた評価のあり方検討会」(座長・柳井重人千葉大学大学院園芸学研究院教授)を設置し、制度構築に向けた検討を開始した。
同日東京都内で開いた初会合で同省の鈴木章一郎都市局都市計画課長は認証制度の在り方として、「CSR(企業の社会的責任)の観点だけではなく、事業活動や事業目的に直結する(制度の)形が求められる」との考えを示した。
緑地整備を巡っては、これまで国や地方自治体が公園を整備してきたほか、民間の取り組みを促す枠組みもある。市街地開発に当たり、敷地面積の一定割合以上の緑化を義務付ける「緑化地域制度」などが代表例。ただ規制的な意味合いが強く、民間による積極的な取り組みを促すまでには至っていないのが現状だという。
認証制度を通じ、民間がESG投資による資金調達や賃料アップといった直接的なメリットを得られるようにする。同省は21日の会合で先進事例を報告。森ビルが開発を進める虎ノ門・麻布台プロジェクト(東京都港区)では、環境への貢献に用途を絞った「グリーンボンド」を発行して事業費の一部を調達した。
検討会では認証取得のインセンティブや評価項目、国の関与の在り方などを議論。4月25日に開く第3回会合で制度の大枠を示す。7月に高松市で開催するG7都市大臣会合で、制度導入を国内外に発信する。


source https://www.decn.co.jp/

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