回転窓／街角に立つレガシー

　冬空ながら天気が良く気持ちのいい休日だったので、普段と違うコースで散歩をしてみた。街を歩く楽しみの一つが新たな発見や出会い。時々散策する街並みに、金色の郵便ポストが目に入った▼調べてみると、政府が日本郵便の協力を得て進める「ゴールドポストプロジェクト」だと知った。東京五輪・パラリンピック競技大会で活躍した金メダリストをたたえる目的で、選手や監督のゆかりの地にある郵便ポストを金色に塗り替えるそうだ▼大会終了後の2021年9月から順次設置され、22年5月25日時点で全国79カ所の郵便ポストが金色に輝いている。古くなれば、再びゴールドに塗り直されるという▼東京大会から約1年半がたっても、競技を通じて得た興奮や感動は色あせない。だが生活の中で五輪とパラリンピックのロゴを見る機会がほぼなくなった現在、記憶が少しずつ薄れ始めている－－。金色の郵便ポストと出会い、そう気付かされた▼いつもの散歩コースを外れ、遠回りしながら街角のゴールドポストに立ち寄ってみる。もしかすると健康増進の一助に。大会のレガシー（遺産）は身近にあるのかもしれない。


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