2023年2月27日月曜日

大成建設/既存建物ZEB化で二つの新技術、高断熱窓と薄型放射空調ダクト

大成建設は、既存建物を改修工事でZEB(ネット・ゼロ・エネルギービル)化する「グリーン・リニューアルZEB」の新技術として、照明器具の光反射効果を併せ持つ「薄型放射空調ダクト」と「高断熱窓システム」を開発した。改修工事中の関西支店(大阪市中央区)と横浜支店(横浜市中区)に適用する。
高断熱窓システム「T-Green DI Window」は室内側の窓にインナーサッシを設けた二重窓。二重窓内部に室内空気(換気で外に排気する余剰空気)を通気させ、窓ガラスを通して屋外から入る熱量を通気と一緒に排出するダイナミックインシュレーション(DI)効果を活用する。室内に入る熱を大幅に削減し断熱性を高める仕組みで、窓近傍の温熱環境が改善するため空調負荷の低減も見込める。
薄型放射空調ダクト「T-Green Radiant Duct」は、冷温水が流れる管を放射パネルに沿わせる従来の冷温水放射方式ではなく、天井下に施工可能な薄型放射空調ダクト(厚さ100ミリ程度)を採用。既存ダクトからの分岐で放射空調に改修できる空調ダクトと放射パネルを兼用した空気放射方式を取り入れた。
ダクト内には潜熱蓄熱材シートを敷設し放射面の温度安定化と結露の発生を抑制。ダクトの上側半分にリサイクル材(不燃段ボール)を使うことで軽量化と同時に製造時の二酸化炭素(CO2)も削減する。ダクト下面の放射パネル表面には照明器具からの光を効率的に拡散、反射させる独自の凹凸加工を施しパネル下の照度を高める。
同社は新築、既存建物を問わずZEB化のニーズが高まる中、あらゆる条件に対応可能な技術開発を進め脱炭素社会の実現に貢献していく。

高断熱窓システム(大成建設提供)
薄型放射空調ダクト(大成建設提供)
source https://www.decn.co.jp/

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