2023年2月28日火曜日

建退共の履行確認一部自治体で徹底されず、完成時は対応にばらつき/国交省調べ

国土交通省は地方自治体発注工事を対象とした建設業退職金共済(建退共)制度の履行確認に関するアンケート結果を明らかにした。公共発注者は元請受注者の提出書類を確認し、掛け金の適切な購入・納付をチェックするよう求められている。特に適正履行が徹底されていないとの指摘がある証紙貼り付け方式の対応を主要自治体に聞いたところ、契約時の確認が9割、完成時の確認は7割にとどまった。この結果を踏まえ国交省はどちらの段階でも必要な確認作業を徹底するよう全自治体に要請した。

アンケートには都道府県と人口10万人以上の市区の計330団体のうち290団体の土木工事発注・検査部局が回答した。都道府県と政令市には27日付で結果を送付。併せて履行確認の徹底と、関係市区町村への周知を要請した。
公共発注者は工事の契約時と完成時、それぞれ特定の書類を元請に提出してもらい履行状況を確認する必要がある。アンケート結果を見ると、契約時に必要な「掛金収納書」を多くの自治体が証紙購入の確認用として提出させており、書類提出を求めていないのは7%。一方、完成時に掛け金納付の確認用書類を提出させていないのは22%に達した。契約時と完成時の両方とも履行確認に未対応の自治体も一部あった。
完成時の確認用書類が自治体ごとにばらつきがある実態も判明。証紙貼り付け方式では「掛金充当実績総括表」の確認に当たって、必要に応じ「工事別共済証紙受払簿」などの付属書類と併せた提示が求められる。回答ではどちらかだけを提出させていたり独自様式を使っていたりするケースが5割以上あった。
国交省は自治体の対応状況を追跡調査するため、アンケートを今後も定期的に実施する予定。次回以降は結果を踏まえ担当者レベルのヒアリングも検討する。自治体への要請文書では受発注者双方の事務作業の効率化につながる観点から、建設キャリアアップシステム(CCUS)を利用する現場などで元請による電子申請方式の活用を促すことも重要と訴えている。



source https://www.decn.co.jp/

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