2023年2月10日金曜日

自民品確議連が総会/設計労務単価は物価上昇超える水準を、民間工事環境改善も後押し

 自民党の公共工事品質確保に関する議員連盟(会長・根本匠衆院議員)が8日に東京・永田町の参院議員会館で開いた総会で、岸田政権による賃上げ要請や時間外労働規制を踏まえた働き方改革に対応し、公共工事設計労務単価を引き上げる必要があるとの意見が相次いだ。根本会長は「政策的な視点を入れた設計労務単価であらねばならない」と主張し、要望に訪れた建設業団体などの代表者らに「今年は例年以上にしっかり取り組むつもり。期待してもらいたい」と訴えた。=2面に関連記事
 冒頭、根本会長は「業界団体の皆さんにも賃上げをお願いしている。その点で公共工事は発注単価をどうするか。そこは政策的にやれる」と強調。1年後の時間外労働規制の適用に向けた課題を建設業団体から吸い上げる考えを示し、「長期的な担い手を確保する観点から設計労務単価の引き上げは不可欠。働き方改革への対応という視点も含めて政策的に反映していく必要がある」と話した=写真。
 総会では複数の議員から、岸田首相が国会などの場で経済界に繰り返し要請している「物価上昇を超える賃上げ」を設計労務単価に反映すべきとの声が上がった。2022年の消費者物価指数が前年比2・5%上昇となったことから「もう一息、岸田総理の発言を受けて上乗せする。緊急的に引き上げるのが大事ではないか」との意見もあった。
 ある議員は建設資材の価格高騰が続く中、民間工事の請負契約でスライド条項が適用されない現状に触れて「賃金を上げよう、価格転嫁しようと言っている世の中の状況に対応できていない」と指摘。国土交通省の「持続可能な建設業に向けた環境整備検討会」で、適正賃金の原資確保を目的に建設工事の価格決定構造の見直しを議論していることに期待を示した。
 これに呼応し根本会長は「民民間の契約も今後、切り込める分野ではないかと思う。しっかり取り組んでもらいたい」と国交省に要請。民間市場の環境改善に向け建設工事標準請負契約約款の活用などさまざまな政策手段があることを示しながら、品確議連として「きちんと制度を詰める力はある。国交省と品確議連の政府・与党一体で取り組んでいく」と話した。

根本会長

source https://www.decn.co.jp/

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