2023年2月28日火曜日

中部整備局/設楽ダム(愛知県設楽町)転流式開く、工事の節目盛大に祝う

中部地方整備局設楽ダム工事事務所は25日、愛知県設楽町の豊川上流部で建設を進めている設楽ダムの転流式を同町の県奥三河総合センターで開催した。地元自治体や住民、工事関係者など約90人が出席。ダム建設工事の大きな節目となる転流開始を盛大に祝った。
式辞で稲田雅裕中部整備局長は「転流を迎えることができたのは地元地権者や住民の方々の協力のたまもの」と感謝の言葉を述べるとともに「豊川は過去に浸水被害や渇水も発生している。これらの課題を解決するため多目的ダムを建設する。厳しい現場条件のため工期を延長したが、今後は東三河地域の発展のため一日も早い完成へ全力を尽くす」と誓った。
土屋浩設楽町長も「ダム計画の提示以来、半世紀にわたり議論に向き合ってきた。まちづくり、地域づくりは道半ばだが、先人の思いをくみ取り次の世代に誇れる未来となるよう責任を持って取り組んでいく」とあいさつ。来賓の足立敏之参院議員は「ダム現場を多くの人に見ていただきたい。ダムの重要性を認識してもらい、完成後もリピーターとして観光につながる」と話し、多くの機会を捉え現場見学会を開催することを要望した。
式典では、真鍋将一設楽ダム工事事務所長が事業概要を説明。その後、式典会場には衛星回線を通じて転流工呑み口部の映像が映し出され、真鍋所長が現場担当者にゲート周辺の安全の最終確認を指示。安全が確認できたとして真鍋所長がゲートの引き上げを指示し、関係者がボタンを押した。ゲートがクレーンで引き上げられると、呑み口部から水が流れ込む様子が映し出され、真鍋所長が「2月25日午前11時43分に転流開始」と宣言。会場ではくす玉も開披された。
転流に合わせ、県立田口高校林業科3年生が町産木材を使って製作しメッセージを乗せた「祝い船」やラバーダックも流された。
設楽ダムは堤高129メートル、総貯水量9800万立方メートルの重力式コンクリートダム。洪水調節や河川流量維持、水道水・農業用水の確保を目的に建設する。転流が開始されたことで今後は本体着工へ作業が進む。総事業費は約3200億円。2034年度の完成が目標。転流工は飛島建設、堤外仮排水路は徳倉建設が担当した。

くす玉開披
あいさつする稲田局長
ゲート引き上げ
source https://www.decn.co.jp/

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