◇トライアル・アンド・エラーの姿勢で
将来的な再開発が検討されている門前仲町(東京都江東区)の自社遊休地に昨年11月、地域のコミュニティー拠点となるカフェをオープンした。「コロナ禍で失われた街のにぎわい回復や住民同士のコミュニケーション促進に貢献できれば」。対面での意見交換が難しい状況は続くも、カフェを起点に「地域住民と一緒に門前仲町の未来像を考えたい」と再開発の担当者として責任感を示す。
高校時代に1年間の米国留学を経験し、大学時代にはバックパッカーの旅で各国を巡った。欧州やインド、キューバなど訪問した国は20カ国を超える。「さまざまな国を訪れる中、風土や気候、文化の違いが建物の形状や機能に大きな影響を与えることに気付かされた」。人々の生活に根付く商業施設や住宅といった建物を手掛けたいと思い、デベロッパーへの就職を決めた。
地権者が中心の再開発事業は合意形成までに長い期間を要し、想定通りに進まないケースも多い。さらに地域が違えば課題も変わる。「決まった正解がなく、マニュアルや規定に縛られない点は再開発に携わる上での醍醐味(だいごみ)」とも話す。
事業協力者であるデベロッパーが意識すべきことは、「再開発が地域にもたらす具体的なメリットをいかに提案できるか」と強調する。門前仲町の再開発に向けた検討はまだ先が長い。「トライアル・アンド・エラーを繰り返して、最善の方向性を見つけ出したい」。
三菱地所レジデンス街開発第一事業部開発第三グループ(おつだ・まりさ)
source https://www.decn.co.jp/?p=150017
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