2023年2月17日金曜日

全建/3年ぶり現場見学会開く、働き方改革の先進事例視察

全国建設業協会(全建、奥村太加典会長)は、会長・副会長や都道府県建設業協会の幹部らによる3年ぶりの「建設工事見学会」を15日に埼玉県幸手市で開いた=写真上。同市でニトリホールディングス(札幌市北区、白井俊之社長)が建設している国内有数の大型物流センターの現場を訪問。2024年4月に時間外労働の罰則付き上限規制の適用を控える中、現場で働く若手技術者のアイデアを生かした先進的な働き方改革や、建設キャリアアップシステム(CCUS)のカードタッチ率向上などに取り組んでいる現状を視察した。
見学会は奥村会長や千葉嘉春、藤田護両副会長、理事や監事を務める各都道府県建設業協会の会長、専務理事ら約40人が参加した。現場は県企業局の幸手中央地区産業団地の一角(幸手市神扇五反割753の1、敷地面積10万6439平方メートル)。ニトリHDが昨年9月に着工した施設はS・RC造4階建て総延べ17万5254平方メートルの規模。工期は24年3月。設計・施工を奥村組が担当している。
計画地は軟弱地盤のため建物の軽量化に努めている。基礎に当たるRC梁の中央には重量が軽く強度の高いS梁を組み込む「ハイブリッド梁構法」を採用し大スパン化と約50%の軽量化を実現。上部もRC柱とS梁を組み合わせたハイブリッド構造を採用している。
4週8休の確保を柱とする働き方改革にも工夫を凝らしている。工期の制約上、現場で働く奥村組の技術者約30人は土日休日の完全週休2日を取るのが難しい状況。このため数人単位でローテーションしながら週休2日確保に努めている。現場独自の取り組みで若手技術者が提案した「スーパーフレックス」制も導入。午後3時30分の退社を推奨しワーク・ライフ・バランスの充実を後押ししている。
CCUSのカードタッチも促進。入場時のタッチでポイントが付与される独自の2次元コードを発行し、ポイントがたまると自動販売機で飲み物が購入できる=写真下。ポイントの付与は清掃や安全パトロールの参加に加え、かっこいい作業服の着こなしといった取り組みなども対象になる。
視察を終えた全建幹部らからは「協会会員や自社の現場で参考にする」などの声が挙がっていた。



source https://www.decn.co.jp/

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