2023年2月14日火曜日

記者手帖/防災対策を描く

趣味で漫画を描いている。現在手掛けているのは東日本大震災の体験記。福島県で育った主人公の目線から震災前後の生活や文化などを継続的に追い、人生観に与えた影響を伝える。東北地方の被災地を何度も訪れ、語り部の方などに取材を重ねた◆作品の世界観に説得力を与えるには、緻密な背景描写が欠かせない。建設専門紙記者という仕事柄、建築物や土木構造物を描写する時には特に力が入る◆被災地で印象に残った建物は、独特な支持構造を持つ公共複合施設「せんだいメディアテーク」(仙台市青葉区)や、光と風を取り入れたガラスシェルターが特徴的な水族館「アクアマリンふくしま」(福島県いわき市)などだろうか。現地で撮った写真を確認しながら原稿に落としていると、構造やデザインの特徴が深く理解できて面白い◆震災体験記のストーリーはこれから本格的に震災後の「復興」に移っていく。防潮堤や高速道路、新たな市街地など被災後にできた構造物や街を描く場面も増える予定だ。これらの構造物が復興をどのように後押しし、住民の生活再建に貢献しているのか--。趣味で培った知識を本業にも生かし、防災対策の重要性を発信し続けていきたい。(紀)


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