2023年2月22日水曜日

林野庁ら/中高層木造建築物見学会開く/大林組の研修施設ポートプラス(横浜市中区)

林野庁と国土交通省は16日、大林組の次世代型研修施設「Port Plus」(横浜市中区)で報道機関向けの中高層木造建築物見学会を開いた。中高層建築物の木造化の周知と普及促進が目的。国内の森林資源利活用や炭素貯蔵効果の高さなど利点を訴えた。
Port Plusは日本初となる高さ44メートルの高層純木造耐火建築物。2022年3月に竣工し、同社が研修施設として利用している。木材使用量は1990立方メートル。二酸化炭素(CO2)の固定量は1652トン、CO2削減量はS造との比較で1700トンと算出している。
米グリーンビルディング協会の環境性能評価制度「LEED」のゴールド、建築環境総合性能評価システム(CASBEE)横浜のSランク、ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)Ready、森林認証制度(FSC)プロジェクトなどの認証を取得。米国の健康建築性能評価制度「WELL認証」でプラチナも取得見込みだ。
見学会では同社の森崇木造・木質化建築プロジェクト・チーム主任が、木の柱梁を剛接合する新技術「剛接合仕口ユニット」や耐火性能などについて説明。構造部材の約85%に木材を使用し、強度や耐火基準をクリアした技術を紹介した。
見学終了後、林野庁木材産業課の土居隆行木材製品技術室長と、国交省住宅局住宅生産課の石井秀明木造住宅振興室長が中高層建築物への木材利用促進について説明した。この中で「日本の森林面積は国土の約3分の2、経済協力開発機構(OECD)加盟国で第3位の森林率を誇る。人工林の半分は50年生を越えた成熟林で利用期を迎えている。国産材の利用は公的利益だ」と国産木材利活用の重要性を強調した。
Port Plusの所在地は弁天通2の22(敷地面積563平方メートル)。地下1階がSRC造の免震構造で、地上部(11階建て)が純木造で延べ3502平方メートルの規模となっている。

6階コミュニケーションラウンジから7階ワークスペースへの吹き抜け部
剛接合仕口ユニットの説明
source https://www.decn.co.jp/

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