関東地方整備局は、詳細設計から施工段階への引き継ぎ情報などを記載した「工事発注時チェックシート(橋梁詳細設計)」を橋梁上部工事で試行活用する方針を固めた。工事・業務の条件明示を促し、円滑な施工につなげる。効果を見極めた上で対象工種を拡大することも視野に入れる。活用は建設コンサルタンツ協会(建コン協)関東支部(中村哲己支部長)からの要望を受けた措置。導入は全国で初めてという。
チェックシートには設計時の条件や留意事項を所定の様式に沿って記入しておく。設計条件、施工条件、設計思想、公文書協議の状況、配慮事項など詳細設計から施工段階に引き継ぐ内容を明確化することで、施工に円滑に着手できるようにする。状況を○△×で記入でき、配慮事項にもあらかじめ記入例を書き込むなど、使いやすさに配慮した。
チェックシートは詳細設計受注者が作成し、業務完了時に受発注者で内容を確認する。発注関係図書として扱い、入札公告時には受注希望者が閲覧できるようになる。同支部はチェックシートに合わせた運用の手引も作成した。
建コン協関東の中村支部長らが16日に同整備局を訪れ、小林賢太郎企画部長に導入を求める要望書を手渡した。これまで予備設計から詳細設計の間は「詳細設計時チェックシート(案)」によって引き継ぎの円滑化を図っていたが、詳細設計から施工段階には同様の仕組みがなかった。
チェックシートを活用することで、各設計技術者に委ねられていた引き継ぎの内容を整理し、施工段階に入ってから設計者に問い合わせる手間や手戻りが減ると期待されている。公共工事では予算や用地取得により詳細設計完了から実際の施工までに数年かかることも多い。発注者側の担当者が異動になるなどで、設計当時の申し送りが十分になされないというトラブルも防ぐことにつながる。
要望に対し小林部長は「施工側の意見も取り入れ優れたものになっている。(関東整備局として)来年度から活用してきたい」と話し、導入準備が整い次第、試行導入する考えを示した。中村支部長は「協会としても全国に広げていきたい」と意欲を見せた。
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