戸田建設は、サービスロボットと人が共生する「ロボットフレンドリー」なオフィス空間の創出に向けた提案に力を入れている。その一環として、高層階でも安定した通信ネットワークが構築できる自社開発の通信システムをエレベーター利用に応用。無線LAN電波を通じてロボットを制御し、人と共存可能な環境を整える。近く自社施設で実証実験を行う予定。顧客ニーズを踏まえ、将来的に他用途への展開も見据える。
通信システム「ウェーブガイドLANシステム」は古野電気(兵庫県西宮市、古野幸男社長)と共同開発。単管パイプと電波を放射するアンテナユニットを接続し無線通信環境を構築する。パイプシャフトなどの縦空間に単管パイプを通し、中継用のアクセスポイントをつなぐことで高層階への拡張が容易になる。
建築現場などに試験導入し効果が確認できたため、エレベーター利用に応用することにした。エレベーターとロボットが連動して扉から内部に入り指定した階で降りる技術はあるが、扉が閉まっている間は電波状況で制御できず、人との同乗にリスクがあった。
開発した通信システムはエレベーターシャフト内に低コストで設置が可能。エレベーター内に安定した電波を届け「ロボットと人の同乗」を実現する。東京都中央区に建設中の「TODA BUILDING」への導入を予定。メンテナンス業務の活用にとどまらず、ロボットと人の新しい共存スタイルの実現を目指す。
同社はロボットが導入しやすい施設環境への変革などを目的に、昨年9月に発足した「ロボットフレンドリー施設推進機構」に参画している。正会員数は30社以上を数え、ゼネコンでは大成建設や清水建設、竹中工務店も参加。ロボットと人の同乗に関するガイドラインの作成を目指しており、戸田建設も会員企業と連携しながら自社技術などを提案し貢献していく。
source https://www.decn.co.jp/
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