五洋建設は鋼製型枠の製造・販売などを手掛ける大栄工機(滋賀県長浜市、小林雅彦社長)と共同で、山岳トンネル工事の防水シート溶着作業が自動化できるシステムを開発した。足場台車に取り付けたガイドレールの上を溶着機が移動しながら自動で溶着する。足場台車上の狭い空間で溶着機を操縦して手渡しで行う従来の苦渋作業が不要になり、熟練工なしでも品質を確保できる。
「防水シート自動溶着システム」は自動溶着本体部に組み込んだシーソー、スライド、回転の各構造に加え、それぞれの動きのバランスを取るバランサーで構成。ガイドレール上の溶着機が溶着ラインのよれやたわみに沿ってバランスを取りながら前後、左右、上下に移動し自動溶着を実現する。
溶着速度に合わせて一定速度で移動させることができ溶着部の品質を確保する。溶着ローラー上部にシート固定治具を取り付けることで、しわを残したままシートが溶着ローラー内に取り込まれることを防ぐ。
長崎県佐世保市で施工している「佐世保道路弓張トンネル工事」(発注・西日本高速道路会社)の防水工24メートル区間で実証実験を実施。従来は3人必要だった作業も、監視者1人だけで自動溶着が行えた。所要時間は従来と同等。目視と加圧試験で溶着部の品質が確保されていることを確認した。
今後は各現場へ展開する。引き続きシート展張や溶着部の品質管理など自動化範囲の拡大、溶着速度の向上などに取り組み、山岳トンネル工事の防水工全体の生産性と安全性の向上につなげていく考えだ。
source https://www.decn.co.jp/?p=150053
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