私有地を無償で提供するなど道の整備に尽力し、埼玉県の地元で今も「道路村長さん」として功績がたたえられている人がいる。明治から昭和10年代後半まで存在した新倉村(現和光市)の2代目村長・鈴木左内氏である▼荒川の氾濫に悩まされていた村は、復興の課題だった道の整備を鈴木氏の手腕と資財などで実現した。地元出身の芝崎光子和光市長は「駅からの道がまっすぐなのは道路村長さんのおかげ」と感謝を忘れない▼市中心部の和光駅近くに賃貸住宅「鈴森village」が来週完成する。断熱や気密といった建物の性能だけでなく、施工中や供用後の環境配慮も求められる国際認証「LEED for Homes」に準拠。認められれば国内4例目となる▼建設地は鈴木家の所有地内にある。店舗や郵便局との行き来に私有地と知らずに使っていた地域住民もいる道を、完成後も残すことを前提に開発した。建物は周囲の街並みに配慮して低層にとどめた▼道路村長さんは子どもたちの歴史学習にも登場する。道を巡る地域のための善意は、景観や環境を含めてこれからもしっかりと紡がれていくことになる。
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