四国地方整備局と九州地方整備局が被災地の早期復旧で連携--。2022年9月の台風14号で被災した1級河川球磨川に架かる県道覚井一武線「球磨大橋」(熊本県錦町)の迂回(うかい)路(仮橋)工事に両整備局の応急組み立て橋を使用する。九州整備局所有分だけでは対応できず、四国整備局に協力を求めた。現地で施工準備が整い、中村河川国道事務所(高知県四万十市)から応急組み立て橋を載せたトラックが20日に出発した。
応急組み立て橋は、地震や洪水などにより被災した道路や橋梁を応急復旧するための仮設橋。現地での組み立てや架設が容易で早期の通行確保が可能となる。被災した球磨大橋は橋長340・7メートル。現在も通行止めが続いており、通勤や通学のために約4キロの迂回が余儀なくされている。
熊本県からの要請を受け、九州整備局が応急組み立て橋を活用した迂回路工事の技術支援を行っている。橋の被災していない部分を活用しながら上流側に仮橋を架けるのに応急組み立て橋を用いる。これまでと同じ7・5メートルの幅員(歩道付きの2車線)を確保できる。
四国整備局が提供するのは「組立式下路式ワーレントラス橋」。橋長50メートルでうち22メートル分を貸与する。残る約100メートル分は九州整備局の2本を使う。現地では応急組み立て橋を受け入れる下部工の施工が完了。迂回路の全体完成は4月下旬を予定している。
20日に高松市内で応急組み立て橋の引き渡し目録の手交式を開いた。四国整備局の片岡浩史道路部道路情報管理官は「四国整備局が応急組み立て橋を地方自治体にお貸しするのは初めて。全国の整備局が同様の応急組み立て橋を保有しており、災害が発生した際に今回のように連携し、全国どこへでも地域の皆さまへの支援体制を整えている。このような連携による災害への対応が重要な使命だ」と述べた。
九州整備局の谷川征嗣道路部道路情報管理官は「国土交通省では災害時にテックフォース(緊急災害対策派遣隊)を派遣し、これまでも甚大な災害に際して全国各地から人的な支援、現地の調査を支援している。それとは別に資機材についても全国的なネットワークを生かし、早期復旧に努められるようにしている」と話した。
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