◇11月末までに4者協議で結論◇
2020年東京五輪の競技施設の建設計画見直しで、都の都政改革本部の調査チームは1日、9月の前回調査報告より計画案を絞り込んだ新たな提言を小池百合子知事に行った。提言をたたき台に小池知事は、国際オリンピック委員会(IOC)、国、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会との4者協議を進める。11月末までに結論を出す方向だ。小池知事は「間に合わないことはないと確信している」と強調した。
都の従来計画は海の森の整備に491億円を要するとしていたが、調査チームの恒設案は付随施設などの見直しで328億円に整備費を減らせるとした。仮設案では、グランドスタンド棟と艇庫棟を仮設級の構造に変更するなどの工夫で298億円まで整備費を縮減。五輪終了から50年後までの維持・改修費を合わせた総コストは、仮設案が最も低い328億~450億円との試算も示した。
水泳会場は、計画中の「オリンピックアクアティクスセンター」(江東区辰巳)以外の代替地の可能性を排除。観客席数が1・5万席か2万席の恒設施設として新設すべきとした。現行計画の規模が2万席のため、1・5万席に見直す場合は設計変更が必要になる。
五輪後にアクアティクスセンターを減築するとしていた都の計画は中止が妥当と判断。減築せずに2万席を造る場合の建設費は530億円、1・5万席の場合は470億~512億円とそれぞれ試算した。
バレーボール(インドア)会場については、▽有明アリーナ(江東区有明)の現行計画のまま、コストダウンの余地検討▽横浜アリーナ(横浜市港北区)での開催検討-の2案を示した。有明アリーナの整備費(現行計画404億円)は類似施設との比較・検討の結果、30億~34億円程度のコスト削減が見込めるとした。
ボート・カヌー会場をめぐっては、埼玉県戸田市の荒川第一調節池「彩湖」への誘致を地元自治体が表明している。4者協議による競技施設の見直しや大会総費用の削減は、こうした自治体の意見も踏まえ、総合的に判断される見通しだ。
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