2017年11月30日木曜日

【鉄道と道路の技術を融合】西日本高速会社とJR西日本、新幹線向けトンネル点検技術を共同開発へ

 西日本高速道路会社とJR西日本が新幹線のトンネル覆工点検の効率化を目指し、新たなトンネル覆工表面検査システムを共同開発する。自動的にひび割れを抽出する西日本高速道路会社の保有技術をベースに、特殊カメラを搭載した点検車両を高速走行させながら、トンネル覆工のひび割れを探知するシステムの実用化を目指す。横断勾配や点検時の制約など、高速道路と異なる条件を踏まえて概略検討や設計検討を進め、早期の実用化を目指す考えだ。

JR西日本が保有する撮像車両
トンネル覆工点検の効率化に向け、両社とも画像等を用いた非破壊・非接触の点検システムを保有。JR西日本では専用車両を走行させながらレーザービームでトンネル全周のスキャニングを行い、連続壁面画像を作成して覆工内部の変状を抽出する「新幹線用トンネル覆工表面検査システム」(SATUZO)を02年から導入している。

 一方、西日本高速道路会社では、超高解像度のトンネル覆工面撮影技術や覆工面展開図の自動貼り合わせ技術、自動ひび割れ抽出技術により、覆工コンクリートの状況を効率的に確認できる道路トンネル覆工点検システムを14年に開発している。

西日本高速道路のトンネル覆工点検車
ラインセンサーカメラと赤外線照明を搭載した点検車両「eQドクターT」を最高速度100キロで走行させてトンネル覆工を撮影し、その画像から、ひび割れ(最小幅0・2ミリ)を自動的に抽出してデジタル図面化することができる。

 新たな「新幹線用トンネル覆工表面検査システム」の開発に当たっては、高速道路用と新幹線用では異なる▽横断勾配の違いによるカメラフォーカスや照明方式▽点検時における制約条件(撮影速度、位置)▽撮影機器の設置制約-の三つの特徴を踏まえ、両社で設計検討などを計画的に進めていく方針だ。

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