「どんなアルバイトをしてきましたか?」。入社試験の面接で学生にそう質問すると、「最近は気になる答えがある」とゼネコンの建築系役員にお聞きした▼建築学科の学生でも多くが口にするのは居酒屋でのアルバイトとか。企業側は設計事務所や建設会社で働くなど技術者の卵らしい答えを期待するが、なぜか判で押したように返ってくるのが居酒屋だという▼酔いに任せて横柄な態度を取る客にも笑顔でうまく応対しなければならない場面もあろう。リーダー格となってフロアマネジメントを任される学生もいよう。そんな居酒屋でのアルバイト経験は、入社試験の自己アピールに効果的かもしれないが、「せっかく建築を勉強しているのだから…」とつい言いたくもなる▼産業能率大学が行った17年度「新入社員の会社生活調査」では、転勤を無条件で受け入れると答えた人は約25%。残業が1カ月「30時間以上は許容できない」は男性約63%、女性約80%だった▼こうした意識を持つ若者が社会人になっていく。学生の頃どんなアルバイトをしたかに口を挟むより、「働く」ことを知っているだけでもよしとすべきか。
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