◇現場ならではの喜びを味わう◇
現場で汗を流す父を幼い頃から見てきた。家庭での父とは違う一流の技術者としての背中に「自分もいつかああなりたい」。いつしか憧れが芽生えた。
空調衛生設備会社を経営する父の仕事を継ぎたいと思ったのは中学生の時。そのため大学では経営学部の事業継承コースを専攻。ビジネスや社長業について学び、修行の場として今の会社を選んだ。
「当時、100人未満の規模の会社でありながら、都内の超高層建築物の7割以上の工事に関わっていることを知り、この会社でなければできない仕事があると感じた」
入社10年目。現在は施工管理を担当し、積算や協力会社の作業員の手配、シーリング材など部材の品質管理などを一手に担う。会社の教育方針はOJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)。とにかく現場で実践を重ねて仕事を覚えた。
「楽しんだもん勝ち」を座右の銘とし、いつも前向きな姿勢を忘れない。「それでもつらい時は女性の先輩が晩酌に付き合ってくれる。温かい人がたくさんいるこの職場で働いていてよかった」。
最も達成感を覚えるのは仮設ゴンドラが撤去される瞬間。「機材が無くなって建物本来の姿がぱっと現れた時、『やり切った』という気持ちでいっぱいになる。現場で働く人間だからこそ味わえる喜び」と笑顔を見せる。これからも現場を中心に活躍していくつもりだ。
(いがらし・めぐみ)
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