関東を拠点にするプロ野球球団2チームの本拠地改修が相次ぎ着工する。西武ライオンズのホームスタジアムで埼玉県所沢市にある「メットライフドーム」は球団創設40周年記念事業として180億円を投資する計画で、12月中の着工を予定する。横浜DeNAベイスターズと横浜スタジアムは11月16日、計画中の球場増築・改修工事を11月25日に起工すると発表した。どちらの球団もスタジアムの「ボールパーク化」を目標に掲げ、来場者がゲームを観戦するのはもちろん、観客席種の多様化や商業施設の充実などで施設自体を楽しめる空間にすることを狙う。
□バックネット裏に430人収容のVIP席確保□
西武ホールディングス(HD)は、プロ野球西武ライオンズの創設40周年記念事業として、西武鉄道が保有するメットライフドーム(埼玉県所沢市)の大規模改修工事に着手する。鹿島の設計、鹿島・西武建設JVの施工で12月中に着工し、21年3月下旬の竣工を目指す。総事業費は約180億円を見込んでいる。
メットライフドームの改修は「ボールパーク化」と「チームの育成と強化」の二つの観点で進める。
ボールパーク化では、バックネット裏に12球団最大級のVIPラウンジ(約430人収容可能)を設置。ラウンジの最前線には約150席の「砂かぶり席」も設ける。外周エリアも拡張・改修する。1塁側に多目的イベントスペース、3塁側に約1000平方メートルの屋外こども広場を設置。ビジネス部門の拠点として3階建てのオフィス棟を新設する。大型のグッズショップやフードエリアも新設する。
チームの育成と強化では、大型室内練習場・トレーニングジムなどを完備した選手寮を新設するほか、練習用のサブグラウンド・ブルペンを増設。隣接する西武第二球場にスタンド・観客席を新設する。選手が野球に集中できる環境を整えることで、選手育成をハード面からバックアップする。
横浜スタジアムと横浜DeNAベイスターズが計画するスタジアムの増築・改修工事では席数を6000席増やす。収容人数は2万9000席から3万5000席に拡大。スタジアムの延べ床面積は約3万4000㎡から約4万6000㎡となる。清水建設の設計、清水建設・馬淵建設・大洋建設JVの施工で11月中に着工する。
全体完成は2020年3月を予定。2017年11月~2019年3月にライト側スタンドとバックネット裏、2019年11月~2020年3月にレフト側スタンドの工事を行う。スタンドの増築・改修以外にも回遊デッキや昇降機の新設、飲食・物販スペースの設置などの工事を実施する。横浜スタジアムは2020年東京オリンピックの野球・ソフトボール競技の試合会場にもなるため、オリンピック対応のバリアフリー化基準を満たす事業(車いす席や昇降機の増設、動線確保)も行われる。
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