2017年11月24日金曜日

【立地生かしエンターテインメント空間に】JSRA、秩父宮ラグビー場パーク化構想発表

 秩父宮を多機能・複合スタジアムに--。ラグビーの世界最高峰リーグ・スーパーラグビーに参戦している日本チーム「サンウルブズ」を運営する一般社団法人のジャパンエスアール(JSRA)は22日、秩父宮ラグビー場(東京都港区)をより多くの人たちに楽しんでもらう施設に再整備する「青山ラグビーパーク化構想」を公表した。国内のラグビーの聖地としての歴史や、東京都心の一等地という土地が持つ価値を重視し、エンターテインメント機能を付加しながら開かれた空間の創出を目指す考えだ。

 ファン層の拡大や、サンウルブズを日本ラグビー界をけん引するチームに育てるため、JSRAは今後の組織全般のブランド戦略を担当するCBO(チーフ・ブランディング・オフィサー)に、日本ラグビーフットボール協会の特任理事を務める池田純氏を招へいした。プロ野球球団の横浜DeNAベイスターズの初代社長としてさまざまな改革を主導してきた実績を持つ池田氏からのアドバイスを踏まえ、青山ラグビーパーク化の実現などに取り組む。

 日本のラグビー界やサンウルブズなどの現状について、池田氏は22日の記者会見で「スポーツがエンターテインメントとしてビジネス化している時代の波に追い付き、けん引するような進化が見られなかった」と指摘した上で、「熱心なファンだけでなく、ライトなファン層を広げることが課題だ」と述べた。

 ファン層拡大の施策の一つとして、秩父宮ラグビー場のラグビーパーク化構想を提案した。構想では正面入り口に鉄格子があって入りにくい現在のイメージを払しょくし、大型のパブなどの飲食施設や、子どもが遊べるミニラグビーパークなど、さまざまな人たちが楽しめる空間を整備することを求めている。

 構想実現に向けて池田氏は「われわれが所有していない施設だが、ラグビー界全体で目指す方向性、理想像として実現できるところから進めていきたい」と意気込みを語った。

現在の秩父宮ラグビー場
 秩父宮ラグビー場の所有・管理者は日本スポーツ振興センター。敷地面積は約3・5ヘクタール。施設の延べ床面積は2万1361平方メートルで、収容人員は約2万5000人。競技スペースの芝生面積は約1万平方メートル。同ラグビー場を含めた神宮外苑周辺エリアでは再整備に向けて官民の関係者らによって協議が進められている。

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