2017年11月21日火曜日

【回転窓】水道料金値上げは不可避?

蛇口をひねれば当たり前のようにきれいな水が出る。降雨不足で夏場に取水制限がかかることはあっても、災害の場合は別として水が足りなくなって何日も水道が利用できない経験をされた方はほとんどいないだろう▼水資源が豊かといわれる日本。厚生労働省の統計によると1950年に26・2%だった水道普及率は半世紀余で飛躍的に伸び、2015年には97・9%になった。使えて当たり前の水道だが、土木学会から送られてきた報道機関向け資料に気になることが書かれていた▼メールの件名にあったのは「全国9割の事業体で水道料金値上げが必要?」。インフラの老朽化問題が顕在化する中、上下水道という水インフラも既存施設の更新が待ったなしの状況を迎えつつある▼人口減少を背景に水道料収入が減り、事業体の収益は厳しさを増す。一方で、施設更新には膨大なコストが必要になる。この問題に対処するため、土木学会は上下水道事業の安全・安心を未来につなぐための議論を始めるそうだ▼世界に目を向ければ爆発的な人口増加で多くの国が水不足にあえぐ。日本の経験と知見はきっと役に立つはずだ。

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